2007年10月28日日曜日

三次市内旧石器探訪会に行ってきました!


 お送りしている画像は、三次市西酒屋町所在 下本谷遺跡の旧石器調査地点のうち、配水地地点での解説風景です。
 探訪会は、みよし風土記の丘友の会の企画として開催されました。
 
 午前中には、県立歴史民俗資料館にて三枝健二氏による「下本谷遺跡について」と題する小講演と特別企画展「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」展の展示解説が行われ、事前学習を行いました。

 午後に入り、いよいよ現地見学のスタートです!(探訪マップはこちらから)
 まず訪れたのが、三良坂町田利に所在する宮風呂(みやぶろ)遺跡。
 宮風呂遺跡の調査では、下本谷遺跡と同一タイプの流紋岩製ナイフ形石器1点が出土しているとのこと。三枝氏の解説を聞きながら、確かに、その形状や調整が似ているなと感じました。特別企画展にも展示されていますのでご覧になってみてください。

 次に訪れたのは、現在発掘調査中の四拾貫町所在の和知白鳥遺跡です。
 当日は、現地説明会の日でもあり、200名近くの参加者でにぎわっていました。
 
 三次で旧石器の発掘調査を見るのが初めてだった私は、興奮!
 同行してくださったバス会社の運転手さんはそんな私たちを見て、暖かく微笑んでおられました。(きっと、不思議な集団に見えたでしょうねぇ。 ^_^;)
 
 発掘調査を担当する財団法人広島県教育事業団 埋蔵文化財調査室の山田繁樹 調査研究員による説明の後、三枝氏の解説がありました。
 
 最後にメインの下本谷遺跡に行き、配水地地点および最奥部であり丘陵頂部にあたる旧石器出土地点を見学しました。30年位前に全国にその遺跡の名をとどろかせる様な発掘調査が行われた現地に立ち、皆さん充実した学習となったようです。
 
 ちなみに今回、参加者の皆さん方にどちらから来られましたか?と何人かの方にお聞きしたところ、三次市内はもちろん、東広島市や廿日市市など県内の各地域からもご参加されたようです。
 これは、一三次市民としてもうれしいことでした。
 また、当研究会の会員諸氏もほぼ全員参加され、親睦を深めることができました。

 実は私、会員でありながら「旧石器」というと三次ではなかなか馴染みが薄いしなぁ・・・と少々敬遠していた時もあったのですが、熱のこもった解説、その記憶冷めぬまま訪れる現地。という流れによって、当時の人々の動きを髣髴(ほうふつ)とさせるような、そんなダイナミックさが肌に染み入るような気がしました。
 このような、形式の学習会・探訪会といった企画を今後も期待したいな。と感じました。また、僕らでもこんな企画ができたら楽しいなと一寸思いました。 

県立歴史民俗資料館・「旧石器展」を見て

 今日は、広島県立歴史民俗資料館(みよし風土記の丘)にて開催されている「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」展について、当研究会会員が寄せてくれた感想を掲載します。


 ナウマンゾウを目当てに訪れた子供たちが、古い昔の道具として石器を見つめる。


 「お母さん、こんなんを使っとたん?」とそっと尋ねている。

 剥離面とも型式とも無縁に、素直な真剣な眼差しに感動すら覚える。

 いつかこの展示がどんなに凄いものだったか、と理解してくれるだろうか。

 これは今、旧石器を研究するあなた方や学ぼうとしている私達に対する質問でもある。

 この展示を中国山地の麓で物珍しい化石と旧石器を並べてあるだけと考えているなら、是非とも足を運んでいただきたい。

 研究者には疑問と意見を、学徒には大き門戸があることを投げ掛けている。

2007年10月26日金曜日

当研究会代表が広島史学研究会にて発表します!!

 今週末の10月28日(日)に、当研究会代表で広島県立歴史民俗資料館 主任学芸員の三枝健二氏が研究発表を行います。
 
 今回は、広島大学西条キャンパス内の文学部・文学研究科棟にて開催される"広島史学研究会"の考古部会において、

  「下本谷遺跡について-後期旧石器時代初頭の石器文化の報告- (要旨)」

 と題し、発表を行います。

  なお、詳しい情報については、広島史学研究会のホームページをご覧ください。
  広島大学史学研究会ホームページへ


 当日は、トップバッターでの発表のようです。研究会自体が文学部1階 B104教室にて10:00から始まるとのことですから、それまでにお越しになるのがよろしいと存じます。  
 また、当日は許可をいただき、当研究会発行の『下本谷遺跡の基礎的研究』(三枝健二 編)販売させていただきます。こちらのほうもよろしくお願いいたします。残部の方も限られてきていますので、この際、ご購入がまだの方は、この機会でのご購入をお勧めいたします。


2007年10月25日木曜日

旧石器時代遺跡・現地見学会情報

 三次をはじめとして、県内あるいは各地域では、10月20日に三次市向江田町の宮の本古墳群で開催された現地見学会の興奮がまだ冷めやらないようです。
 そんな中、次はいよいよ2つの旧石器時代遺跡の現地見学会が開催されます。
 
 その遺跡の名は...

  和知白鳥遺跡   そして   段遺跡

  いずれも昨年度発掘調査が行われましたが、旧石器が発見されたため調査が今年度まで延長されたようです。

  開催日は、10月27日(土)午前中に段遺跡、午後から和知白鳥遺跡の見学という、ダブルヘッダーで行われるという、コチラも珍しい形式の現地見学会だと思います。

  詳しくはコチラをクリックしてください。
  →財団法人広島県教育事業団埋蔵文化財調査室のホームページへ
    
 
  三次市内での旧石器時代遺跡の本格的な発掘調査は久しぶりのことで、めったに見れるものではありませんので、この機にぜひ見学に訪れてはいかがでしょうか?
  
  その足で、みよし風土記の丘・県立歴史民俗資料館での特別企画展「最古の狩人を求めて -中国山地と三次の旧石器文化-」展をご覧になれば、さらに理解が深まり、充実した一日をお過ごしになることが出来るのではないかと思います。

  ちなみに私は、みよし風土記の丘での『三次市内旧石器時代遺跡探訪会』に参加しつつ、この見学会にも伺うということになっています。
  当研究会代表の三枝健二も来るかも!?

  そうそう、ところで風土記の丘といえば。

  なんでも、みよし風土記の丘・県立歴史民俗資料館では、11月4日に・・・・・・・・・・・・

  ナウマンゾウが歩くらしいですよ!
  

2007年10月18日木曜日

三次市内旧石器時代遺跡探訪会について

 みよし風土記の丘友の会主催で、10月27日(土)に企画されている三次市内旧石器時代遺跡探訪会ですが、先日問い合わせたところ、定員に達したため、募集を締め切ったそうです。
 私も参加申込に間に合いました。ホッとしています。
 当日は、当研究会員も参加しますので、親睦や交流が深められればいいな。と期待しております。

2007年10月16日火曜日

祝!100アクセス達成!!

 当研究会のホームページにアクセスカウンタを石器??いや、設置(10月8日~)しましたところ、本日10月16日100件のアクセスを達成いたしました。
 多くの方々からのアクセスに、研究会メンバー一同、大変感謝いたしております。
 こんごとも、どうぞこのホームページをご愛顧いただきますようお願いいたします。

 三次旧石器文化研究会

2007年10月8日月曜日

広島県立歴史民俗資料館・特別企画展のお知らせ~その4~

関連行事がおもしろい!
~三次市内旧石器時代遺跡探訪会~

 連日お伝えしている広島県立歴史民俗資料館・特別企画展「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」情報。
 今回は、
広島県立歴史民俗資料館から飛び出しての探訪会企画についてお伝えします。
 展示担当学芸員によるレクチャー(小講演)に加え、まさにこの時期、市内で
発掘調査を行っている旧石器時代遺跡への見学という生の体験、など大変魅力的な探訪会となるようですよ。
 
 では、詳しいことにつきましては、配布チラシの情報をそのままお伝えすることとします。

 
みよし風土記の丘友の会案内チラシより
 みよし盆地には全国最古級の下本谷遺跡を始め多くの旧石器時代遺跡があり、10月5日から広島県立歴史民俗資料館で旧石器時代の特別企画展が、また同時期に市内の和知白鳥・段遺跡で旧石器時代の調査が行われます。
 この機会を利用し、広島県立歴史民俗資料館の特別企画展と下本谷遺跡や和知白鳥遺跡などの市内の主要な旧石器遺跡を、専門的な解説を交えて見学します。

日時 平成19年10月27日(土)午前10時~午後4時

会場
 広島県立歴史民俗資料館 研修室(午前10時までに集合)

内容
 午前:小講演「下本谷遺跡について」と特別企画展の展示解説
    午後:三次市内旧石器時代遺跡見学(和知白鳥遺跡【発掘調査現地】・下本谷遺跡・宮風呂遺跡などの旧石器時代遺跡で解説を交えて見学)

募集人数
 40名
申込方法 往復はがきに「三次市内旧石器時代遺跡探訪会参加」と明記し、郵便番号・住所・名前・年齢・電話番号を記入のうえ10月10日(水)までに、みよし風土記の丘友の会探訪会係まで送付してください。当日消印有効ですが、定員になり次第締め切りますので、あらかじめ電話で募集状況を確認してください。締め切り後1週間ほどで実施のご案内をします。

参加費
 1,900円(友の会会員)
       ※友の会会員以外の方は特別企画展の入館料が別途必要です。

その他
 昼食は各自でご用意ください。

送付・問合せ先

  〒729-6216 三次市小田幸町122  ℡0824-66-2881
  広島県立歴史民俗資料館内 みよし風土記の丘友の会 探訪会係



 以上が、みよし風土記の丘友の会からの案内内容でした。
 全国最古級の石器の可能性を持つ三次市西酒屋町・下本谷遺跡、同様の時期に位置づけられる三次市三良坂町・宮風呂遺跡の現地見学。そしてまさに現在、発掘調査が繰り広げられている和知白鳥遺跡の現地見学ができる。
 これだけの充実した見学内容に加え、展示担当者であり、当研究会代表の三枝健二による小講演や展示解説も行われるという充実ぶり!
 申込締切日が迫っておりますが、当研究会発行の『下本谷遺跡の基礎的研究』を執筆・編集した三枝が、探訪会全体に随行するとのことですから、これはもう、問合せだけでもしてみる価値はあるのではないでしょうか?
 なお、この探訪会は、みよし風土記の丘友の会の会員の方が優先的に参加できるようですよ。もし、入会されていない方で参加希望の方は、これを機に、みよし風土記の丘友の会へ入会されてはいかがでしょうか。個人会員の場合、たしか年会費1,500円ですから格安です!!それでいて、情報提供の頻度も多く、会報の発行も行われていますよ。(ただし、詳しくは友の会にお聞きくださいね・・・)
 
 この探訪会、かなり興味深く、おもしろい話が聞けると思いますよ。

 あー!! しまった!!! 私、申し込むのを忘れていました!!!! 
 急いで申し込まなきゃ・・・

広島県立歴史民俗資料館・特別企画展のお知らせ~その3~

関連行事がおもしろい!~文化財講座~

 先週金曜日開幕した広島県立歴史民俗資料館・特別企画展「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」の情報を連日お届けしておりますが、今回からは、展示会の関連行事等について連載してまいりたいと思います。
 文化の秋、歴史の秋、行楽の秋・・・みなさまには、それぞれのスタイルの秋があると思いますが、この秋の予定に、これから連載する関連行事を加えてみてはいかがでしょうか?

 今回特集するのは、文化財講座です。
 文化財講座は、広島県立歴史民俗資料館にて、毎年考古学や民俗学、歴史学において、その道のエキスパートである講師をお招きし、講演していただくという企画で30年近く続く歴史ある講座のようです。
 その講座が、
「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」展にあわせて、なんと2回行われます。

 では、その2つの講演についてご紹介しましょう。

■文化財講座第5回
 平成19年10月13日(土)開催
 「人類の起源と日本人のルーツ」
 講師:土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム(山口県下関市豊北町) 館長 松下孝幸さん  
 ●
広島県立歴史民俗資料館案内チラシより
 人類は、今から数百万年前にアフリカ大陸で類人猿の仲間から分かれ、原人・旧人・新人へと進化しました。
 この講演会では、それらの人類の進化の歩みを紹介します。また、北京原人などに代表されるアジアの原人から、後期旧石器時代の港川人や、弥生時代の日本列島への人の移動などを通して、日本人のルーツに迫ります。
 全国的にも最古級の三次市下本谷遺跡のある広島県に、いつごろどんな人がやって来たのか興味は尽くせません。皆さんぜひご参加ください。


■文化財講座第6回
 平成19年11月10日(土)開催
 「日本旧石器文化の現状と課題-鈴木遺跡と下本谷遺跡から-」
 講師:國學院大學栃木短期大学(栃木県) 学芸員 戸田正勝さん  
 ●広島県立歴史民俗資料館案内チラシより
 日本列島の旧石器時代研究は、火山灰の研究が盛んな関東地方で最も進んでいます。この講演会では、南関東の中心的な遺跡である鈴木遺跡の調査と報告を担当し、関東地域の旧石器文化の成立を研究されておられる戸田先生に、日本の旧石器研究の現状と課題をご講演いただきます。
 また関東地域の際古希の石器群と比べると、下本谷遺跡の石器がどのような文化に属するのか、などについてもお話いただきます。
 三次と広島県の歴史の始まりについてのお話がうかがえますので、皆さんぜひご参加ください。


なお、上記2回の講演に関しての会場・参加費等の詳細は下記をご参照ください。

 開催時間:午後2時~4時
 会場:広島県立歴史民俗資料館 研修室
 申込方法:当日受付
 参加費:
200円(資料代)
 
 ※お問合せは広島県立歴史民俗資料館にお願いします。
  〒729-6216 広島県三次市小田幸町122
  ℡0824-66-2881

 

『下本谷遺跡の基礎的研究』好評発売中!!

 三次旧石器文化研究会よりお知らせいたします。
 当研究会が編集・発行した『下本谷遺跡の基礎的研究』は、好評発売中です。
 広島県立歴史民俗資料館の特別企画展「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」にも今回の報告書内でとりあげたナイフ形石器等、日本列島における旧石器時代の歴史を再考させるような資料が掲載されております。
 旧石器時代を研究しておられる研究者の方や、歴史ファン、地元三次・庄原市民のみなさま方などなど・・・。ぜひこの機にご購入していただけましたら幸いです。
 なお、限定部数で印刷しておりますので数には限りがあります。お早目のご購入をあわせてお勧めいたします。
 ちなみにご購入方法の詳細につきましてはこちらをご覧ください。

 →→→『下本谷遺跡の基礎的研究』刊行のご案内(2007年8月13日当研究会ブログ記事より)

2007年10月7日日曜日

「最古の狩人を求めて」展 新聞記事に載る

 10月5日に開幕した広島県立歴史民俗資料館(広島県立みよし風土記の丘)特別企画展「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」に関する記事が、中国新聞と毎日新聞に掲載されました。

 なお、それぞれの新聞社のHP内にも掲載されておりますので、ぜひご覧ください。

 しかし、ナウマンゾウの骨格標本は、迫力ありますねぇ~!!

 2007年10月6日付 中国新聞より(HP地域ニュース内)
 「三次の旧石器文化展始まる」

 2007年10月6日付 毎日新聞広島版より(HPより)
 →特別企画展:「最古の狩人を求めて」 三次・県立歴史民俗資料館で開幕 /広島

2007年10月5日金曜日

いよいよ今日オープン!!!!!「最古の狩人を求めて」展

 今日10月5日(金)。
 広島県立歴史民俗資料館にて開催される特別企画展「最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-」がオープンします。
 
 日本の旧石器時代の見方が変わるかもしれない....
 みなさん、ぜひぜひ一度ご来館ください。

 入館料  
  一般:500円(400円)  高校生・大学生:380円(300円)  小学生・中学生250円(200円)
  ※( )内は20名以上の団体  常設展も見学可能  (11月3日は入館無料です)
 開館時間 午前9時から午後5時(ただし 入館は午後4時30分まで)
 休館日   月曜日(ただし、10月8日は開館します)

2007年10月4日木曜日

広島県立歴史民俗資料館・特別企画展のお知らせ~その2~

「展示資料がおもしろい」

 さてさて、連日お送りしております広島県立歴史民俗資料館特別企画展「最古の狩人を求めてー中国山地と三次の旧石器文化ー」ですが、いよいよ明日の開催に迫りました。
 そこで今回は、主に展示される資料についてご紹介したいと思います。

第1章 人類の発達と旧石器文化
人類複顔模型                        広島県立歴史博物館蔵
猿人~新人頭骨化石(複製)  鮮新世~更新世   
広島県立歴史博物館蔵
オルドヴァイ文化の石器     前期旧石器時代   広島大学考古学研究室・広島県立歴史博物館蔵
アシュール文化の石器     
前期旧石器時代   広島県立歴史博物館蔵
周口店の石器(複製)       前期旧石器時代   明治大学博物館蔵
ムスティエ文化の石器      中期旧石器時代   広島県立歴史博物館蔵
丁村の石器             中期旧石器時代   野尻湖ナウマン象博物館蔵
石壮里の石器(複製)       中期旧石器時代   明治大学博物館蔵
県内の後期旧石器        後期旧石器時代   個人蔵

第2章 氷河期の動物と石の道具
ナウマンゾウ全身骨格(複製) 更新世 三重県立博物館蔵
ナウマンゾウ下顎骨化石    更新世 広島県立歴史博物館蔵
ナウマンゾウ・トウヨウゾウ・ニホンムカシジカ化石類  更新世 倉敷市立自然史博物館蔵
県内の旧石器類        後期旧石器時代   広島県教育委員会・北広島町教育委員会・個人蔵

第3章 日本の旧石器文化
史跡岩宿遺跡出土の石器類  後期旧石器時代  明治大学博物館蔵(重要文化財)
鈴木遺跡の石器類        後期旧石器時代  小平市教育委員会蔵
仲町遺跡出土の石器類     後期旧石器時代  信濃町教育委員会蔵
竹佐仲原遺跡出土の石器類  ~後期旧石器時代 長野県埋蔵文化財センター
立が鼻遺跡出土の石器類(複製) 
~後期旧石器時代  野尻湖ナウマンゾウ博物館蔵
宮田山遺跡の石器類       後期旧石器時代  個人蔵
井島遺跡出土の石器類     後期旧石器時代  岡山理科大学蔵
瀬戸内海沿岸地域の石器   後期旧石器時代   当館・個人蔵
翠鳥園遺跡出土の石器類と石器群剥取り模型  後期旧石器時代  羽曳野市教育委員会蔵

第4章 中国山地と三次の旧石器文化
下本谷遺跡出土の石器・礫  後期旧石器時代  三次市教育委員会・広島県教育委員会蔵
原田遺跡礫群剥取り      
後期旧石器時代  島根県教育庁埋蔵文化財調査センター蔵
野原遺跡群風早A地点出土の石器  後期旧石器時代  岡山県古代吉備文化財センター蔵
恩原2遺跡出土の石器  後期旧石器時代  岡山大学考古学研究室蔵
戸谷遺跡出土の石器  後期旧石器時代  岡山理科大学蔵
小林河原遺跡出土の石器  後期旧石器時代  岡山理科大学蔵
県内(備後地域)の石器など  後期旧石器時代 広島県教育委員会蔵ほか
県内(安芸地域)の石器  後期旧石器時代 広島県教育委員会蔵ほか

おわりに
綾羅木遺跡の石器  下関市立考古博物館蔵
世羅町風呂元の偽石器  個人蔵


 
 さて、非常に中身の濃い展示会であることが、これらの展示資料からも伺えますね。このほかにも多くの資料が展示されるようです。なお、期間中に展示替えを行う場合もあるとのことです。

 ところで、ここ広島県三次市は、毎年この時期になると早朝から深い霧に包まれ雲海の街として知られています。そんな霧が晴れるが如く、三次の、いや日本の旧石器文化が解き明かされるかもしれない。
 皆さんどうぞ、歴史の証人となるべくこの展示会に足をお運びください。

2007年10月2日火曜日

広島県立歴史民俗資料館・特別企画展のおしらせ~その1~

 「今、旧石器がおもしろい」
 
 三次旧石器文化研究会よりお知らせします。
 
 このブログ内でもすでにご案内しておりますように、広島県立歴史民俗資料館では、
 特別企画展『最古の狩人を求めて-中国山地と三次の旧石器文化-』
 がいよいよ今週
10月5日金曜日より開催されます。
 
 そこで、この展示会を応援する当研究会のプロジェクト第2弾としまして、今回は、展示の内容についてご案内してみたいと思います。
 
 【展示構成】 
 この展示会では、旧石器時代における人類の発展過程や、日本における旧石器時代の文化、そして、中国山地と三次の旧石器文化について
、大きく4つの「章」に分けて紹介するという構成になっています。ちなみに下記文章はについては、同展示会のチラシより転載させていただきました。

  
 ●第1章 人類の発達と旧石器文化
  
猿人から新人に至る人類の発展を、複顔模型や頭骨化石(複製)と、前期旧石器・中期旧石器・後期旧石器などの石器から段階ごとに展示します。

 ●第2章 氷河期の動物と石の道具
  
旧石器時代の狩の対象であったナウマン像の全身骨格(複製)やニホンムカシジカなどの動物化石類と、当時の代表的な石器であるナイフ形石器や槍先形尖頭器・彫刻刀形石器などを紹介します。

 
●第3章 日本の旧石器文化
  
日本国内で初めて旧石器文化の存在が確認された史跡岩宿遺跡の石器(国重要文化財)をはじ め、南関東の石器の変遷や、国内最古級とも考えられる関東・中部地方の石器などと、瀬戸内海の 沿岸地域で発達した石器や変遷も紹介します。

 
●第4章 中国山地と三次の旧石器文化
  
発掘調査によって国内最古級と報道された下本谷遺跡を中心に、中国山地の代表的な旧石器時 代遺跡の石器を紹介します。また、三次~庄原地域の旧石器類をはじめ、安芸地域と備後地域に分 けて県内の主な旧石器類を展示します。

 といった塩梅に大変中身の濃い内容であり、われわれ日本列島に住む人間たちのルーツを垣間見ることの出来る展示会となるのではないかと、わくわくしております。
 特に最後の第4章では、われわれ三次旧石器文化研究会も関わった下本谷遺跡についても大きく取り上げられるようです。
 
 次回は主に展示される展示物についてご紹介したいと考えております。